演奏会の履歴

日立フィルで過去に取り上げた作品を演奏会別にご紹介しています。

第41回定期演奏会(曲名をタップ/クリックすると解説文が表示されます)

2016年8月6日(土) 横浜みなとみらいホール 指揮/田部井 剛

ドビュッシー:《牧神の午後》への前奏曲

 この曲は、19世紀フランスの詩人ステファヌ・マラルメの詩「牧神の午後」に着想を得て作曲されました。ドビュッシーは当初、前奏曲・間奏曲・終曲の3章からなり詩の朗読と舞踊を加えた舞台音楽を構想していましたが、結局は、前奏曲のみの作品として完成し、1894年12月22日に初演されました。
 牧神とは神話に登場する半獣神で、上半身は人間、下半身は山羊の姿をしています。ギリシャ神話ではパーン(パン)、ローマ神話ではファウヌスとも呼ばれ、しばしば笛(パーンの笛)を吹く姿で描かれます。好色な神で繁栄・豊穣のシンボルともされます。
 この曲は、暑くけだるい夏の午後、牧神がまどろみの中で、水浴びをするニンフ(水の精)たちを追い回す白日夢に浸る情景を描いたものです。初演時のパンフレットに寄せられたドビュッシー自身による解説文が、この曲の背景を雄弁に物語っていますので、ここに邦訳を引用しましょう。
《前奏曲》の音楽は、S.マラルメの美しい詩のひじょうに自由な挿画です。この音楽は詩を総合しようとしたものではありません。この作品はむしろ連続する装飾であり、そこで牧神の欲望と夢が午後の暑さのなかで動いていくのです。それから妖精たちと水の精たちが、おずおずと逃げるのを追うのにあきて、牧神は、遂には実現される夢、自然界を全て手中に収めるという夢に満たされて酔い心地のまどろみに身を任せます。(船山隆訳、名曲ガイドシリーズ/音楽之友社)
 この曲は、1894年に初演された後、1912年5月29日に、ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の人気ダンサーであったニジンスキーによってパリのシャトレ座でバレエとして上演されました。あまりに官能的な振付には賛否両論が沸き起こりましたが、後に、このバレエ団の重要な演目のひとつとなりました。
 この曲で最も印象的な箇所は、冒頭のフルートのソロです。調性もリズムもはっきりしない物憂げなメロディは、牧神の象徴である「パーンの笛」を表します。しかし、単にイメージの繋がりばかりではなく、その独特な音色や特性を活かす楽器としてフルートを選択したことは疑いの余地もありません。またさらに、ドビュッシーはこのメロディを、中音域のC#(ドのシャープ)から始めています。フルートにとってC#は全てのトーンホールを開けた状態となるため、構造上、音程も不安定で、ややくぐもった、虚ろな響きとなります。もちろん、現代の楽器では、どの音も均一に輝かしく朗々と響かせることも(トレーニング次第で)可能ですが、初演当時のフルートでは、C#は柔らかな味わい深い響きの音として奏でられていたはずです。ドビュッシーは、けだるい夏の午後の白日夢を表すのに相応しい響きとして、敢えてこの音を選択したのでしょう。<
 この曲は、ドビュッシーの管弦楽曲の代表作のひとつであるとともに、後の作曲家に多大な影響を与え近代音楽の嚆矢となる記念碑的な作品です。後に続く作曲家の誰もがおそらく何らかの影響を受けています。その代表的な作曲家がラヴェル(1875-1937)です。ドビュッシーと同様にフランス近代の作曲家ラヴェルは,この曲を「音楽史上に残る傑作」と讃えましたが、そのラヴェルは後に、ギリシャ神話を題材にしたバレエ《ダフニスとクロエ》を作曲し、その中で牧神パーンの無言劇のシーンにフルートの長大なソロを与えました。このフルートソロの中心となる音はやはり中音域のC#となっており、ドビュッシーへのオマージュであることを感じさせます。
 このように、ドビュッシーは各楽器の特性を引き出す新たな管弦楽法を切り拓きました。そこから生み出される音楽は、あたかも印象派の絵画のような多彩で独特な色彩感をもって、マラルメの詩のイメージに寄り添っています。曲は3つの主要なテーマから構成されています。1つめは、冒頭にフルートが奏でるメロディで、牧神の白日夢を表します。2つめは、オーボエおよび弦楽器に現れ、美しいニンフ(水の精)への欲望を表します。3つめは、木管および弦楽器に現れ、愛の女神ヴィーナスに寄せる陶酔を表しています。これらの主題が、絶妙な和声と管弦楽法によってさまざまに登場し、曲尾では、アンティークシンバルの澄んだ音が効果的に響き、けだるいまどろみの中に吸い込まれるように曲を閉じます。
(Flute 庄子 聡)

ファリャ:《三角帽子》組曲 第2番

 《三角帽子》は、権力をカサに着て横柄な代官様(※1)に一泡吹かせて民衆の溜飲を下げる、日本の時代劇でもお馴染みのストーリーである。その代官様がかぶっているのは三角帽子。権力の象徴である。ところで、三角帽子というと、円錐形のパーティーグッズを思い浮かべてしまう人も多いようだが、もちろんそんなものでは権力を象徴するわけにはいかない。ここでいう三角帽子とは、広い縁を3ヶ所で折り返した帽子で、上から見ればいちおう三角形に見える。
 1916年、バレエ・リュス(ロシアのバレエ団)を率いる天才興行師ディアギレフがマドリッドを訪れて、ファリャのピアノとオーケストラのための作品《スペインの庭の夜》を耳にすると、ぜひこれにバレエをつけて上演したいと申し出たが、ファリャは、この作品のデリケートなニュアンスをバレエ用に改作する自信がなく、代案を提案する。
  スペインの作家アラルコンが民話をもとに書いてベストセラーとなった小説《三角帽子》をパントマイム仕立てにして音楽をつけたものがあり、これをディアギレフにピアノで弾いて聴かせると、「なるほど、これもまた面白い。ぜひやりましょう。」ということになった。折しも、ヨーロッパは第一次大戦が進行中、何かと段取りも遅々として進まず、終戦後にようやく上演の日程が決まった。1919年の夏、場所はロンドンのアルハンブラ劇場。振り付けは、ニジンスキーの後釜レオニード・マッシンが担当、彼は粉屋役としてダンサーでも登場する。オーケストラの指揮はエルネスト・アンセルメ、そして舞台美術とコスチュームの担当は、あのパブロ・ピカソであった。これほどの豪華な顔ぶれであれば、初演の成功は約束されたようなもの。しかし、作曲者自身は本番に立ち会うことができなかった。当日劇場にいたファリャに母の危篤を知らせる一通の電報が届く。まさに初演の幕が揚がる2時間前、コスチュームを着けたままの出演者たちに見送られ、慌しく列車に乗り込んだ。実は、ほんの数ヵ月前に父を亡くしたばかり。しかも、そのとき演奏旅行中で死に目にも会えなかった。なんとか今回はひと目でも。気持ちばかり焦るも、戦時の混乱の余波で列車の進行はすこぶる遅い。たまたま買った新聞を手に取ると、あろうことか、わが母の死亡通知が目に飛び込んできた。息を引き取ったのは7月22日、まさに《三角帽子》の初演当日である。皮肉なことに、同じ紙面にバレエ《三角帽子》のロンドンでの初演に関する記事が掲載されていた。空前の大成功裡に終わったようだ。戦争が終わり新しい世の中への人々の期待を乗せ、《三角帽子》は瞬く間にヨーロッパ中に広まり、ファリャの作曲家としての地位は不動のものとなった。しかし、ファリャ自身は、すっかり世事がわずらわしくなり、グラナダに引っ込んで表舞台に顔を出さなくなってしまう。<
 今回演奏するのは、バレエ音楽から3曲を抜粋した組曲である。あらすじとともにご紹介しよう。
 舞台は、19世紀初頭スペインのアンダルシアの粉屋の水車小屋の前の広場が舞台、粉屋の亭主ははなはだ不細工だが、なぜか滅法美人の女房がいる。その女房に目をつけた代官が、すきをみてちょっかいをかけようとするが、亭主に気づかれ牽制される。そこで代官、一計を案じた。もちろんお得意の「権力の悪用」である。何か事案をでっち上げ、取り調べと称して粉屋を身柄拘束し、鬼の居ぬ間になんとやらというわけだ。
1.近所の人たちの踊り(セギディーリャス)
 聖ヨハネの日の前夜祭。村人たちが水車小屋の前の広場に集まりセギディーリャスを踊っている。セギディーリャスは、スペイン各地に伝わるポピュラーな舞曲で3拍子を基本とする。アンダルシアの音楽によくみられる4分の3拍子と8分の3拍子の混合でリズムに変化がつけられ、チェレスタの響きが星降る夜を彩る。
2.粉屋の踊り(ファルーカ)
 セギディーリャスに引き続き、粉屋の女房が前に出て、集まってくれた村人たちに謝辞の挨拶(ホルンのソロ)、そして、夫にファルーカの踊りを披露するよう促す(イングリッシュホルンのソロ)。ギターのラスゲアード(指の爪側でコードを上下に素早くはじいてかき鳴らす奏法)をまねた弦楽器の音型に導かれて粉屋のファルーカが始まる。ファルーカは、男性のソロの踊りで、上半身を動かさず、下半身のきびきびした動きでかかとを踏み鳴らす。村人たちが集まり飲めや歌えやで楽しんでいるところに、突然、令状をもった2人の黒服の執行官が登場、その場で粉屋を連行してしまう。すっかり場がしらけて村人たちも去り、女房ひとり取り残されると、頃合をみはからって、しめしめうまくいったわいとばかり、代官ひとりが登場する。が、気ばかり急いて、足を踏み外して用水路に転落してしまう。ずぶ濡れのまま這い上がると、何事?と出てきた女房と鉢合わせ、貞操の危機を感じた女房はすぐさまその場を立ち去り、夫が拘留されている場所へ向かった。濡れ鼠の代官は、粉屋の家に入り、衣服と三角帽子を脱いでその場にある椅子にかけて干し、自分は寝室に引っ込んでベッドに潜り込む。しばらくすると、粉屋の亭主がひとり戻ってきた。身に覚えのない不審な別件逮捕は代官の策略に違いないと感づき、そして「まさか俺のいない間に!」と不安に駆られて拘置所を脱走してきたのだが、まさしく予感的中、脱ぎ捨てられた代官の服と三角帽子。逆上のあまり、ふいに悪魔的な考えに至る。自分の服を脱いで、干してあった代官の衣装に着替え、もちろん三角帽子もかぶり、そして松明の炭で白壁にこう書き殴って足早に立ち去った。「代官殿、復讐させていただきます。代官殿の奥方も美人でござる」ほどなく代官が目を覚まし、のそのそと寝室から出てくると、自分の服がなくなり代わりにあるのが粉屋の服、さらに壁の走り書きを目にすると、これから代官の屋敷で起ころうとしていることがすぐに想像付いた。妻の身に危険が…いやそれよりも何よりも妻にあることないことぶちまけられたら、と思うと、いてもたってもいられなくなり、その場で粉屋の服を着て家を飛び出すと、表には、2人の執行官が待ち構えている。
3.終幕の踊り(ホタ)
 ホタは、大勢の男女が単純なコード進行の繰り返しにのって両腕を高く上げカスタネットを打ち鳴らす陽気な踊りである。「粉屋のやつ、脱走してやっぱりここに戻ってきやがったか」粉屋と間違えられて執行官たちに打ち据えられる代官、そこに女房が戻ってきて「うちの亭主が、こんなところで袋叩きにされている!」勇敢にも執行官のひとりを羽交い締めにする。そこに粉屋の亭主も戻ってきて乱闘に参加する(※2)。粉屋の格好をした代官と代官の格好をした粉屋と女房と2人の執行官の組んづ解れつの取っ組み合い、音楽もテンポが目まぐるしく変わる。騒ぎを聞きつけた村人たちが集まってくると、ようやく人違い勘違いは解け、粉屋の夫婦は仲直り、全員でにぎやかにホタを踊る。姑息な悪巧みが露見した代官は、村人たちからスペイン名物“ケット上げ”にされてしまう。最後は銅鑼の一撃のあとトロンボーンで代官のテーマが奏され、カスタネットのけたたましい響きとともに幕が降りる。
※1)原作では、スペイン語でCorregidor(コレヒドール)となっている。通常は「行政長官」などと訳され、現代の日本で言えば市長か県知事に相当する役職である。
※2)復讐に向かったはずの粉屋がなぜ戻ってきたのか、バレエのプロットでは何も説明がないが、アラルコンの原作では、代官と粉屋の女房が、代官の屋敷へ乗り込んでいくという続きがある。バレエではクライマックスのまま終幕にするため、この後半部分を大幅に端折っている。
参考文献「ファリャ 生涯と作品」興津憲作著 音楽之友社/DVD「ピカソとダンス パリ・オペラ座バレエ」より《三角帽子》解説 薄井憲二/「三角帽子」アラルコン作 会田 由訳 岩波文庫/”The three-cornered hat” より”synopsis” J.&W. Chester, Ltd. 
(Percussion 桑原 崇)

ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14a

 幼少より音楽の才能が認められながらも、当時、音楽家の地位があまり高くなかったこともあり、両親から医学校での勉強を強要されていたベルリオーズ。しかし音楽への情熱を捨てきれず、両親の反対を押し切って1826年、23歳の時にパリ音楽院へ入学します。その翌年、彼の運命を変える出会いが訪れます。パリにきたイギリスの劇団によるハムレットの公演を見たベルリオーズは、人気女優であったハリエット・スミスソンに熱烈な恋心を抱くのです。劇場に通い詰め、手紙を何通も送るものの、彼女にとって彼は数多いファンの1人にすぎず、面会すらできない日々が続きます。ハリエットの故郷、アイルランドの詩歌に曲をつけ歌曲集を作ったり、彼女の家の前のアパートからずっと彼女を見つめていたり・・・彼の行動はエスカレートし、しまいにはハリエットに嫌がられてしまいます。そして一度も話すことなく失恋。彼女はパリを去ってしまいます。
 しかしロマンチストなベルリオーズ。その後すぐにピアニストのマリー・モークという女性との新しい恋が始まり、2年後の1830年、ベルリオーズが27歳の時に、失恋と新たな恋との狭間で作曲されたのが、幻想交響曲でした。この時、ベルリオーズに大きな影響を与えていたのはベートーヴェンと言われています。幻想交響曲はベートーヴェンの交響曲第6番《田園》を模範にしたと言われており、同じ5つの楽章で構成され、自然の描写をいれています。ですが、自然の描写に自分の物語を絡めた幻想交響曲はベルリオーズによる独創性によるものでした。さらに当時、交響曲では使われていなかったハープ、イングリッシュホルン、鐘などを楽器として使ったり、空間的な効果を広げる手法をオペラからヒントを得て取り入れたりと、新しい風をこの交響曲へ吹き込みました。ちょうどこの頃、マリーの家族に自分を認めてもらい、彼女と結婚をしたいと考えていたベルリオーズは、念願だった作曲のローマ大賞を受賞し2年間イタリアに滞在することになります。しかし、なんと彼が不在の間、母の策略によりマリーは別の男性と結婚してしまうのです。憤懣やるかたないベルリオーズは、マリー夫婦とその母を殺して自分も死のうと、ピストルと毒薬を持ってパリへむかいますが、途中で正気を取り戻し、ニースでの療養を経てローマへ帰りました。
 ローマでの留学を切り上げる形で1832年にパリに戻ったベルリオーズは、自作の演奏会を開きます。演目は幻想交響曲だったのですが、その演奏会に、なんとあのハリエット・スミスソンが観客として現れます。大喝采をあびている幻想交響曲が自分への恋心から書かれたものだとこの時に知り彼女は大感激、ハリエットはベルリオーズを受け入れ、2人は結婚するのです。幻想交響曲の改訂版には、作曲家自身により《前書き》として次のような言葉が書かれています。この「愛する彼女の旋律」はイデーフィクス(idee fixe固定楽想)と呼ばれ、全楽章に渡り、様々な場面で形を変えて登場します。
第1楽章 夢と情熱
阿片を飲んだ芸術家は夢の中へ・・・長くゆったりとした序奏へと続きます。芸術家は熱病、憂鬱、喜びをとめどなく感じるのですが、そこにヴァイオリンとフルートによって奏され愛する彼女の旋律、イデーフィクスが初めて登場します。彼女の姿を見つけ、愛する気持ちの高揚、発作的な嫉妬、胸を締め付ける気持ちなどが入り乱れますが、最後は優しい愛の回帰があり、宗教的な静けさのコラールで終わります。
第2楽章 舞踏会
舞踏会が始まる前のざわめき。段々気分は高揚し、3拍子のリズムにのって優雅なワルツが奏されます。ワルツを踊る人の中に、芸術家は愛する彼女の姿を見つけるのですが、すぐに踊る人の雑踏の中で彼女を見失しなってしまいます。断片的に彼女の姿は現れるものの、舞踏会は激しさを増し、華やかな狂乱の中で曲を閉じます。なお、この楽章には1844年にベルリオーズ自身によってコルネットのオブリガートが追加されています。
第3楽章 野の風景
 穏やかな夏の夕暮れ。2人の牧人が羊飼いの笛で対話をしています(舞台上のイングリッシュホルンと、舞台裏のオーボエによって奏される)。続いて、ヴァイオリンとフルートにより穏やかな主題が演奏されますが、だんだん心がざわつきだし音楽が激しくなるものの、ふと彼女を思い出します(木管によるイデーフィクス)。彼の心は締め付けられ、悪い予感がし、孤独がつのります。羊飼いは再び対話をしようとイングリッシュホルンが歌いますが、オーボエの応答はありません。高まる不安。遠くで(4人のティンパニ奏者による)雷鳴が聞こえます。夜の静寂。
第4楽章 断頭台への行進
 孤独と不安の中、芸術家は幻覚の中で愛する彼女を殺す悪夢を見ます。彼は死刑を宣告され、小突かれ追い立てられながら断頭台へとむかいます。その姿に喝采を送る観衆。彼は断頭台にかけられ、死のまぎわ、クラリネットによるイデーフィクスで彼女のまぼろしを見るのですが・・・断頭台の刃は容赦なく落ち、頭が転がってゆきます。歓声をあげる観衆達。
第5楽章 魔女の夜宴の夢
死んだ芸術家を弔うために、魔女や亡霊たちがグロテスクな宴(サバト)をはじめます。そこに下品に変わり果てた彼女(E♭管クラリネット)が彼をあざ笑うかのようにやってきます。彼女の到着に喜び、サバトは盛り上がりを見せるのですが一旦静まります。弔いの鐘が響き、4本のファゴットと2本のチューバによるグレゴリオ聖歌「ディエスイレ」(dies irae 怒りの日)が奏されます。この聖歌の合間をぬって、木管によるサバトのダンスが顔を出し、そしてサバトのロンド(弦楽器のフーガ)へと続きます。最後には、聖歌(管楽器)とサバトのロンド(弦楽器)が重ね合わさり、彼女と魔女たちの狂喜乱舞の中、華々しく曲を終えます。
(Flute 万木 直子)

←第42回
第40回→